精神科、統合失調症、メンタルヘルス、うつ病、心療内科

統合失調症を診断するには

目次

1:統合失調症とは

2:陽性症状、陰性症状

3:DSM診断基準

1:統合失調症とは

統合失調症は脳内ネットワークの異常です。腫瘍など見た目では異常がなく、CT、MRI、血液検査、脳波など医療現場でできる検査では全く異常が出てきません。統合失調症の診断は問診が基本になります。診断基準はDSMという米国精神医学会が定めた診断基準が日本の医療現場ではよく使われます。診断基準は専門用語が多く、とても読みづらいですので、大雑把なイメージで説明してみたいと思います。

 

皆さんも街を歩いていて、時々大声を出したり、独り言をぶつぶつ言ったりしている人達を見ませんか?

 

統合失調症のイメージはそういった方々を思い浮かべればいいです。統合失調症にかかっている人達は1%であり、100人に1人が統合失調症患者という計算です。薬物治療の発展とともに統合失調症の約6割はほぼ正常領域に戻ります。一見すると普通の人と見分けがつきません。そして、精神科患者は今病院で閉じ込めておくのではなく、退院して社会復帰をし社会の中で生きていくようになってきています。

 

時々大声を出したり、独り言をぶつぶつ言ったりしている人達がいますが、そういった方々は統合失調症である可能性が高いです。

 

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また、覚醒剤を使用している人を見たことがありませんでしょうか?覚醒剤使用者と統合失調症症状は非常に似ています。神奈川県相模原市で障害者施設で大量殺人が起きました。その犯人も覚醒剤使用をしており、「障害者は殺して死んだ方がいい」といった突拍子もない考え方、妄想で殺人にいたりました。統合失調症の方々も同様に異様な思考方法や宗教をもっていたりします。

 

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2:陽性症状、陰性症状

 

統合失調症のメインの症状は陽性症状と陰性症状に分けられます。陽性症状は見た目が派手であり、陰性症状は見た目が派手でない症状と考えていただいて構いません。

 

陽性症状には、妄想、幻覚、異常な行動、はちゃめちゃな発言があります。「たけちゃんまん、たけちゃんまん、万歳!万歳!」などといって走り回り、破壊行動をする、、、といった光景はまさに統合失調症の患者の典型例となります。

 

妄想は多種多様であり、自分は天皇の子孫だ、マフィアに追われている、世界が終わる、盗聴されている、、、、など様々です。

 

幻覚では視覚(幻視)、嗅覚(幻臭)、聴覚(幻聴)、感覚(体感幻覚)などありとあらゆる部位に幻覚が生じますが、統合失調症の方々には幻聴が多いです。命令されたり、自分の意思と反するようなささやきが典型的です。

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陰性症状、陽性症状と比べて派手ではなく、内にこもっていくイメージになります。意欲がなくなる、情動がなくなる、ひきこもる、、、などあります。先ほど話をしましたが、統合失調症の6割は正常領域に戻りますが、残りの4割の方々は残念ながら一見して異様さを感じるレベルになってしまいます。

 

こういった異様な方々では、陽性症状は薬でコントロールできますが、陰性症状は薬でコントロールすることが難しいです。最終的には陽性症状が落ち着き、陰性症状が残るケースが多いです。気の抜けた顔をしている、ほとんどしゃべらずネットリした視線をする、保護室でグッタリ寝たまま、、、などといった方々が多いです。統合失調症は大昔に早期痴呆症などと言われていましたが、痴呆の方々が気の抜けた状態になりますが、まさにそういった状態になっていくのです。臨床で感じますが、陰性症状は薬で治りづらく最後まで残ります。

 

3:DSM診断基準

 

以下はDSMの診断基準になりますので、参考にしてみてください。

A. 以下のうち2つ以上、各々が1ヶ月間(または治療が成功した際はより短い期間)ほとんどいつも存在する。これらのうち少なくともひとつは1か2か3である。

1.妄想

2.幻覚

3.解体した会話(例:頻繁な脱線または滅裂)

4.ひどくまとまりのないまたは緊張病性の行動

5.陰性症状(例:感情表出の減少や意欲欠如)

 

B. 障害の始まり以降の期間の大部分で、仕事、対人関係、自己管理などの面で1つ以上の機能の水準が病前に獲得していた水準より著しく低下している(あるいは、小児期や青年期の発症の場合、対人的、学業的または職業的な期待される水準に達することができずにいる)。

 

C. 障害の持続的な徴候が少なくとも6ヶ月間存在する。この6ヶ月間には、基準Aを満たす各症状(すなわち、活動期の症状)は少なくとも1ヶ月(または治療が成功した際はより短い期間)存在しなければならないが、前駆期または残遺期の症状の存在する期間を含んでもよい。これらの前駆期または残遺期の期間では、障害の徴候は陰性症状のみか、もしくは基準Aにあげられた症状の2つまたはそれ以上が弱められた形(例:風変わりな信念、異常な知覚体験)で表されることがある。

 

D. 統合失調感情障害と、うつ病または双極性障害の精神病性の特徴を伴うものが以下の理由で除外されていること

(1)活動期の症状と同時に、大うつ病または躁病のエピソードが発症していない

(2)活動期の症状中に気分のエピソードが発症していた場合、それらは疾患の活動期および残遺期の持続期間の半分以下しか存在しない。

 

E. 障害は、物質(例:乱用薬物、投薬)または他の医学的状態の直接的な生理学的作用の影響によるものではない。

 

F. 自閉スペクトラム障害やコミュニケーション障害の小児期の既往歴があれば、統合失調症の追加診断は、統合失調症の必須症状に加えて顕著な幻覚や妄想が少なくとも1ヶ月(または治療が成功した際はより短い期間)存在する場合にのみ与えられる。