精神科、統合失調症、メンタルヘルス、うつ病、心療内科

適応障害の診断基準や治療方法を精神科医が口語訳してみた

適応障害 診断基準

1:はっきりと確認できる大きなストレス、及び継続的、反復的にかかり続けるストレスが発症の原因であり、そのストレスを受けてから3か月以内(ICD10では1か月以内)に情緒面、行動面で症状が発生すること。

2:ストレス因子と接した時に起きる予測を超えた苦痛の反応もしくは、社会生活、職業・学業的機能において著しい障害が起きること。

3:不安障害や気分障害うつ病など他の精神障害が原因ではないこと。

4:ストレス因子が排除された場合、半年以内に症状がなくなること。

5:ストレス因子が無くなった後も半年以上症状が続く場合は、他のストレス障害PTSDや分類不能の重度のストレス障害)や特定不能の不安障害などを考慮する必要がある。ただし、ICD10の場合は、遷延性抑うつ反応の場合は最長2年間持続するとされている。

6:また、症状の持続時間が6か月以内のものを急性、6か月以上のものを慢性と呼ぶ。慢性の場合は継続的なストレスが続いている場合に適用される(たとえば、周りに犯罪が多発する場所に住んでいる。裁判に巻き込まれるなど)。

 

イヤイヤ病

1:すげー嫌な奴と会う、会社に行く、働きに行く、嫌なママ友とランチに行く、など嫌なことと直面すると3カ月以内にソッコー苦痛を感じる。しかも、それが反復的に繰り返されると、さらにヤバくなる。

2:嫌がっていることと接すると、めちゃくちゃ敏感に反応する。嫌な奴に近づくと蕁麻疹が出たり、会社行くと意識がぶっ飛んだり、とにかく異常なほどの現象が起きる。

3:本物のうつ病、不安の病気は除く。

4:ストレスの原因から解放されると6カ月以内にすぐに良くなる。会社を辞めた途端元気になったりする。会社にいる間はメッチャクチャ落ち込むんだけど、退社すると元気に趣味に没頭できる。嫌いな奴と離れると安堵感がハンパない。

5:嫌なことから離れて半年たっても、精神状態おかしい場合は他の精神病を疑ってね。

6:症状が6カ月以内のものを急性という。6カ月以上のものを慢性という。自宅に帰ると嫌な嫁の顔を見なければいけない、辞めたいけど会社行かなきゃいけない、など継続的に嫌なことと接しなければいけない場合は6カ月を超えてもイヤイヤ病でいいよ。

 

具体例

具体例1:会社行くと意識ぶっとび子ちゃん

20代後半女性。希望の公務員試験に落ちてしまい、公務員になれず、嫌々新卒で入社した中小企業を2年間で退社。ちなみに公務員になりたい理由は「安定しているから」。その後、生活をつなぐために他の中小企業に2年間働く。その間も公務員の求人募集をネットで探す。たまたま見つけた旧公務員職場を見つけて、「受かるはずないか」と半ば諦め気分で応募すると見事採用された。昔は県所属の機関だったそうですが独立行政法人化して成果を求められるようになってきていました。2倍も3倍も厳しくなったわけではありませんが、20代後半女子の上司の話を聞くと少しずつ成果を求められ仕事量が増えていっている様子でした。

20代後半女子は4月入社となり仕事を始めるが元々いた職員と波長が合わず人間関係でギクシャクしていた。仕事は9時30分から17時まで。残業はほとんどなし。土日休日は基本的に休みだが月1回程度土曜日出勤する必要がありました。20代後半女子は夏頃から疲れが出始めて精神的にも追い詰められていきました。出社すると意識を失い、周囲の同僚が声をかけても全く反応しない症状が出てきました。一番最初に意識を失った時は周りはビックリして救急車を呼んだ。近くの総合病院に救急搬送され脳外科医に診察され検査をするが異常なし。メンタルからくる症状だろう、と言われ精神科に紹介受診となりました。

精神科病院でも出来る範囲で検査をしたがやはり身体的疾患はなかった。経緯を聞いて「解離性障害(ヒステリー発作)」「適応障害(イヤイヤ病)」と診断しました。解離性障害(ヒステリー発作)は難しい名前で分かりづらいが簡単にいうと「意識を失ったふり」をしていると言えば分かりやすいだろう。20代後半はイヤイヤ病、意識を失ったふり、をしているのだ。普通の人、職場の人からみたらエライ迷惑だが本人は「死にたい」と言いながら私の目の前で何度も泣いていた。リストカットも何回か繰り返していた。

解離性障害(ヒステリー発作)」「適応障害(イヤイヤ病)」と診断してからは会社で上手くあしらわれるようになり、「意識を失ったふり」をして倒れるたびに、バケツリレーのように数人の職場の人たちの手で休養室に放り込まれるようになりました。ちなみに「解離性障害(ヒステリー発作)」になった際は放っておいて安静にしておけば1時間くらいで良くなります。あまり構って仕事の時間を奪われてもしょうがないので、完全放置で放っておくのが最善です。

すぐ辞めればすぐに精神症状は良くなるにもかかわらず、本人は「公務員」というポジションを失なくたいのかしがみついていました。試験雇用期間で「意識を失ったふり」を起こしてしまい、正社員になることはできず、試験雇用期間が延期、延期、延期となっていました。

正社員ではないので休職をとることができず、私の病院に一度入院して、入院しながら会社に通勤していました。が、とうとうストレスが我慢を超えて再度「意識を失ったふり」をしてしまいました。それが最後になり総務課部長が病院にまで来て本人にクビを宣告。そのときに何故か精神科医である私も付き合わされてしまいました。クビを宣告された瞬間、意識ぶっ飛び子ちゃんは病棟全体に響き渡るような声で大声で泣き叫びならがら床に泣き崩れました。そこからはいくら声をかけても泣き叫ぶだけで無為に時間が過ぎていきました。会社の人達に時間をとらせては申し訳ないので、会社の人たちは15分くらいで帰ってもらいました。私は何故か泣き叫ぶ意識ぶっ飛び子ちゃんに付き合わされ、1時間くらい本人を慰めたり、勇気付けたりするような言葉を投げかけたのですが、彼女は泣き続けていました。最後は看護婦に脇を持たれて部屋に戻って行きました。その間も私のPHSは鳴り続け仕事が着々と溜まっていきました。彼女がいなくなってから仕事に戻り「先生遅いですよ。なんで早く来てくれなかったんですか!!」と何も知らない看護婦から言われ謝っていました。

その後、意識ぶっ飛び子ちゃんは離婚してしばらく会っていなかった父親に経済的援助をもらう約束をとりつけ、退院していきました。バイトで食いつないで、次の正社員の職を探していきますと言葉を残して意識ぶっ飛び子ちゃんは退院していきました。退院後は意識ぶっ飛び子ちゃんの家の近くの精神科クリニックに通院しているようです。

 

具体例2:学生時代の先公が悪いんだ!なんでも人のせい男

20代後半男性。

具体例3:嫌いな姉が毎日家に来て怒鳴り散らされる!可哀そうなオバサン

ふぁおいyへぷうぇ

具体例4:仕事が辛い!でも嫁は金のことばかり

40代男性。妻と一緒に精神科病院に紹介受診されてきました。精神科クリニックの先生に精神科病院にある復職支援プログラムを紹介されたそう。

警察で企画部に異動になり人間関係に合わず部下を指導しなければいけない立場になって気持が落ち込むようになったそう。

私の顔を見るなり妻に「あそこの精神科クリニックの先生に薬を出されたんだけど全く良くならない」「あそこの先生はよくない」「あなたはどう思われますか」と立て続けに問い詰められました。話を聞いて頭の中で「適応障害(イヤイヤ病)」の診断を下しながら何て言えばいいのかなあと考えを巡らせていました。職場におらず、家にいるときは寝れているし食事もとれてるし、妻の観点ではいたって元気そう、とのことでした。状況依存的に気分の浮き沈みがあることから、うつ病は否定的と考えていました。

イヤイヤ病であれば、そりゃあ薬効かないだろうなあと思い、つい「薬は効きにくいでしょうねえ」とつい口に出してしまいました。それを聞いてムッとした妻は「ところで復職支援プログラムはどうなんですか!?効くんですか?仕事に戻れるんですか?」と矢継ぎ早に聞いてきました。「復職支援プログラムも効果がない、とは言えませんが効果も限定的です。それよりも旦那さんはすごい辛いんですよね。休職の期限も迫ってきてどうしても職場に戻れない場合は仕事を辞めて変えられるのも一つの手かと思います。」と正直な考えを言ったところ、ますます妻の表情は悪くなり「そんなことできません!!家のローン3000万円もあるし、子供2人いてお金がもっと必要になってくるんです。辞めるなんてありえません。」私は「お金はなんとかなると思いますよ。それより、たった一つしかない旦那さんの健康はもっと大事ですよ。旦那さんはどう思いますか。」と夫に気持を聞いてみました。夫は苦しそうに「妻の言う通りです。私が職場に戻らなければいけませんよね、、、。」と言っていました。

復職支援プログラムのプログラム内容、復職率、復職後の経過の概要を説明して、その日の診察は終わりました。「もし復職支援プログラムに興味があるようであれば再度当院に受診してください」と言いましたが、その後私のところに受診することはありませんでした。

 

治療

嫌なことから離れましょう。離れればすぐに良くなります。家のローンや、子供の教育費とかがあって会社を辞めれないとか、離れられない場合は我慢しましょう。心理療法とかカウンセリングとかは気休めです。女子とか大好きそうだけど。1時間1万円とか高い代金払って行くならどうぞ。認知行動療法とかってカッコいい名前ついているけど、心理療法の一種です。効果はあまり期待しないで。薬とかは効きません。精神科医うつ病の薬とか出されるかもしれないけど、医者も「効かないだろうなぁ」と思って出してます。欲しがるからしょうがないんだよね。睡眠薬は効くから寝れない人は飲んでね。まずはグッスリ眠ることが大事だよ。寝れないのにカウンセリングとか行っても本末転倒だよ。