精神科、統合失調症、メンタルヘルス、うつ病、心療内科

生活保護は抜けられない沼みたいなもの

生活保護受給者数は年々増加傾向

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1992年(平成4年)頃に生活保護受給世帯が585972世帯になり、1995年(平成7年)頃に生活保護受給者数は882229人となっている。そこを底にして、以降増加傾向にある。2014年(平成26年)には、1612340世帯、2165895人となって1990年代に比べて約2.5倍に増加している。平成28年、平成29年とピークアウトして、数万人程度、若干減少しているが、高齢者がどんどん増えているので、今後生活保護の増加に歯止めはきかない。特に単身高齢者の生活保護受給者数の増加が極端に増加している。

 

生活保護は一度受給したら辞めれるのか

生活保護受給し始めたら、受給を辞めて自立できるのか?答えはNOだ。現在、生活保護から脱出している人間は2014年(平成26年度)時点で、年間2万人、年間1万7千世帯だ。年間に1%弱が生活保護から脱出していることになる。

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ただし生活保護からの脱出経路だが、35.2%が死亡、8.3%が失踪となっている。働き収入のアップは18.8%など、まともな理由で生活保護を脱出している人は3割にも満たなくなっている。つまり、目の前で生活保護を受給している人のうち、生活保護から脱出することができるのは100人に1人で、その1人のほとんどは死ぬか、失踪するかで生活保護受給を受け取らなくなるということだ。

生活保護という甘い汁に一度はまると、死ぬ以外で脱出することはほぼ不可能な状態なのだ。

 

大量発生!精神病生活保護

我々精神科医は残念ながら生活保護受給の手続きを進めるために行政の人たちと連絡を取り合うことがある。精神病を患った人たちの中には生活保護を受給するのが妥当と考えられる人もいるが、なかには「働け!!」と言いたくなるような人がいるのは事実だ。肌感覚で言えば正当な理由で生活保護を受給している人たちは私が関わっている精神科患者のうち2割程度な気がする。多少の精神症状の悪化を許容さえすれば、8割くらいの精神科患者は働けるし「文句言ってないで働け!!」と言いたくなる。無理やり働かせて自殺する人は数%くらい出てくるかもしれないが、経済効果を見れば精神病患者の生活保護受給の基準を少しは厳しくすればいいんじゃないか、と思ってしまう。あるいは生活保護をタダであげるのではなく、公務員として全員雇って給料として生活保護費分をあげて、簡単な仕事でもいいからやらせたらいいんじゃないかと思っている。もちろん、全身麻痺とか身体疾患の人たちでどうしても働けない人たちは生活保護をもらっていいと思う。

朝の満員電車に乗っているサラリーマンなんか見てたら死んだような顔をしている人って沢山いるし、それくらい当たり前な気がする。精神科患者の中には「この間、久しぶりに朝電車に乗ったんですけど、みんな疲れきった顔してますね~。」なんて涼しげに言っている患者がいた。そう言っている患者は生活保護受給者だ。「お前の生活保護費は、そういった疲れきったサラリーマンの給料から出されてるんだぞ!自覚しろ!!」ともう少しで言いそうになった。彼はせっせせっせと宗教団体に生活保護のお金をお布施していた。

 

イムリミットは3年以内

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上記生活保護受給を止めた人がどれくらいの期間、生活保護を受給していたかという図だ。生活保護受給を辞める人たちに限ると、生活保護受給期間が3年未満の人たちが6割を占めている。生活保護受給者の人たちの中には10年以上受給している人たちがザラにいるのに対して、生活保護から脱出できる人たちは3年以内の受給にとどまっていることが多い。

生活保護という甘い汁から脱出することができるのは、受給期間が3年以内の受給者に現実的に限られている。ちなみに精神科医をしている私自身、生活保護からまともな理由で受給停止になっている人を見たことがない。一度受給したら抜け出さない、抜け出せない仕組みになっている。

働いたら働いた分、生活保護費が減らされて手元に残る金額は変わらないのだから、変な話、まさに「働いたら負け」という状態になっている。生活保護受給者でも働いたら、働いた分、手元に残るお金が残るようにして、働くことで報酬を得ることができる、お金を稼ぐことができるんだ!ということを体に覚えこませる必要がある。働いてお金を得る喜び、を知らない限り、生活保護から脱出する人はどんどん減ってくる。