精神科、統合失調症、メンタルヘルス、うつ病、心療内科

家族に見捨てられる認知症老人

認知症は重度の方が扱いやすい

認知症患者は重度であれば重度であるほど大変だと思うだろう。逆なのだ。重度の方が扱いやすい。たしかに重度であればウンコをあちこちでするし、放尿は当たり前。あちこち歩きまわるし、話しかけても何にも返事をしない。人間は赤ちゃんとして生まれて、最後赤ちゃんがえりすると言われるが、重度の認知症患者はまさに赤ちゃんがえりするのだ。かわいくはないけれど。

 

軽い認知症老人はややこしい

重度よりたちが悪いのは軽度認知症患者だ。認知症になりかけのときは確かに物忘れはところどころなので話をしてても「意外としっかりしてるなあ・・・」と感じてしまうのだけれどところがどっこい。自分のことをまともだと思い込んでるから物がなくなっても「誰が盗んだ!」とか言い出すようになる。自分が置き忘れていたなんて思いもしない。幻覚妄想は驚くほどに多様になる。「孫と妻の間に肉体関係がある」「あそこに黒い服の人がいる」「童謡が聞こえる」「玄関のノブをまわす音がする」「不倫してたでしょ!」「お金を盗もうとしている」などなど。本人はまともだと思ってるし、口が動くからうるさいっていったらありゃあしない。通院するのも一苦労。「体を診てもらおう」と言って嘘を言って家族が本人を連れてくることもある。嘘を言って連れてきたはいいけれど、じゃあ我々医者は患者本人に何て説明すりゃあいいんだ!って感じ。口が滑って「ボケてますね」と言ったら家族も本人も怒り狂う。本当に神経を使う。

 

 

最後に見捨てられる認知症患者

認知症になると家族からかわいがられる老人と嫌がられる老人に分かれる。かわいがられるのはいつもニコニコして感謝の気持ちをきちんと伝えられる老人だ。残念だからみんながみんな好かれる老人になれるわけではない。どうだろうか。1割くらいは好かれる老人、6割は嫌われる老人、残りはどっちでもいい、、、そんな感じだろうか。嫌われる老人・最後に見捨てられる老人の特徴だが妄想が激しい。とにかく激しい。口調が激しい。暴言暴力は嫌われる。嫌われた老人は自宅に退院することなく老人ホームなど施設に葬り去られる。施設に行っても全然面会に来ない。来るのは死んだとき。嫌われた老人は本当に見ていてさびしい。

老人になったらせっかくだったら好かれて最期を迎えたい。いつもニコニコ笑顔で「ありがとう」と感謝の言葉を口にしよう。